ストランド ――電子機器が止まった日本で、「普通の高校生」4人は何を選ぶのか

作品名:ストランド

著者:原作 NUMBER8/作画 益子リョウヘイ

出版社:小学館

レーベル:少年サンデーコミックス

掲載誌:週刊少年サンデー

刊行状況:全5巻完結(第1巻 2025年1月17日発売/第5巻 2025年11月18日発売)

ジャンル:SF/サバイバル/青春群像劇

舞台:岐阜県H市・東京など日本各地

あらすじ

岐阜県H市に暮らす高校2年生・真中、朝比奈、白根、成澤の4人は、読書感想文の表彰や自作アプリの授賞式、学級委員の付き添いなど、それぞれの用事で新幹線に乗り東京へ向かう。特別仲が良いわけではないが、どこにでもいるクラスメイト同士として、緩やかな距離感で時間を共有している。

しかし、品川付近を走行中の新幹線が突如停止し、日本列島全体を覆うように飛ばされた気球群からのEMP攻撃によって、すべての電子機器が一斉に機能停止する。旅客機は墜落し、インフラは止まり、通信手段は完全に途絶。電気に依存していた社会のルールや価値観が、一夜にして崩壊していく。

家族と離れた東京で取り残された4人は、スマホも交通機関も頼れない状況で、自分たちの足と頭だけを武器に、まずは安全な場所を確保しようと動き出す。物資を奪い合う大人たちや、支配・暴力に走る者たち、誰かを守ろうとする者たちなど、極限状態がむき出しにする人間の欲望と恐怖が、行く先々で彼らを待ち受ける。

真中の資産運用やITの知識、朝比奈の野生的な行動力、白根と成澤のコミュニケーション能力。それぞれが持つ強みと弱みが、日常では見えなかった形で試されていく。ときには冷酷な選択を迫られ、ときには誰かを見捨てる罪悪感に苛まれながら、それでも4人は「家族の元に帰る」「大切な人に会いに行く」という小さな希望を支えに、岐阜や富山方面への帰路を模索する。

物語が進むにつれて、電子機器を無力化した攻撃の背景や、日本社会の変貌ぶりも徐々に輪郭を持ちはじめる。テロの可能性、国家や軍の動きがちらつく中でも、物語の中心にいるのはあくまで4人の高校生と、その「一握りの勇気」。教室から投げ出された彼らの旅路がどこへ行き着くのかを描き切る、完結済み全5巻の青春サバイバル譚である。


キャラクター紹介

真中(まなか)

岐阜県に住む高校2年生。ITと投資に長け、小学生のころからお年玉を株式投資に回して資産2,000万円にまで増やし、自作アプリが表彰されるほどの実力を持つ。合理的でクールに見えるが、極限状況の中で「誰を助け、何を切り捨てるか」という決断を迫られ続けることで、責任感と覚悟がむき出しになっていく。

朝比奈

貧しい家庭で育ち、スマホも携帯も持っていない高校生。自然の中で鍛えられた身体能力と勘の鋭さを備え、『ハンター×ハンター』のゴンのような野生児気質と真っ直ぐな正義感を持つと評される。電子機器が役に立たない世界では、結果的に4人の中でもっとも「環境に適応している」存在となり、サバイバル行動の要となる。

白根 圭之介(しらね けいのすけ)

クラス委員を務める、美白系のイケメン男子。性格は穏やかで「いい人そう」と評されることが多く、普段は真中や朝比奈のような強烈な個性の陰に隠れがちだが、いざというときには場をなだめ、交渉役として力を発揮する。秩序が崩壊した世界で「多数派に流されるか、自分の良心を貫くか」という葛藤を抱くポジションに立たされる。

成澤 心(なりさわ こころ)

4人の中で唯一の女子であり、クラス委員仲間。K-POP好きで、明るく社交的な一方、自分の感情をあまり表に出さないタイプでもある。混乱する大人たちや他グループとの接触時には、柔らかい態度と観察眼で状況を和らげる役を担うことが多い。旅の中で、「自分が本当に守りたいものは何か」という問いに向き合わされていく。


SNSの反応

  • 「普通の高校生4人が、いきなりEMP攻撃で電子機器ゼロの世界に放り出される導入が強烈」
  • 「日常パートが丁寧だからこそ、非常時に切り替わった瞬間の落差がエグい。震災ものを思い出して胸が詰まる」
  • 「決して“善人だけ”の物語じゃない。騙す側も騙される側も出てきて、勇気とエゴの境目を考えさせられる」
  • 「真中の成長がえぐい。最初は冷めた投資家キャラだったのに、巻を追うごとに一番熱い行動を取っていて惚れた」
  • 「電子機器が全部死んだ世界なのに、変に超能力に逃げず、人間ドラマで最後まで押し切るのが良かった」
  • 「全5巻できれいに完結。もっと読みたかったけど、このボリュームでまとめきったのも好印象」

星評価

  • ストーリーの緊迫感 ★★★★★
     日常から一気に非常時へ転落する構図と、EMP後の社会崩壊描写が最後まで高いテンションを保っている。
  • キャラクターのドラマ性 ★★★★☆
     4人それぞれの価値観や弱さが極限状況であぶり出され、「誰に感情移入するか」で読後の印象が変わるタイプの群像劇。

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年代別類似作品

  • 1980年代:『AKIRA』(大友克洋)
     都市崩壊と少年たちの群像劇を描くSFで、巨大な事件に巻き込まれる若者たちという構図が共通する。
  • 1990年代:『ドラゴンヘッド』(望月峯太郎)
     新幹線事故をきっかけに崩壊した日本で、高校生たちがサバイバルと精神的恐怖に向き合うディザスター作品。
  • 2000年代:『彼女を守る51の方法』(古屋兎丸)
     首都圏大地震後の東京を舞台に、普通の大学生が恋人と共に帰宅を目指すリアル志向の震災サバイバル。
  • 2010年代:『僕だけがいない街』(三部けい)
     異常事態に巻き込まれた主人公が、過去と向き合いながら大切な人を守ろうとするサスペンス青春ドラマ。
  • 2020年代:『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』(麻生羽呂/高田康太郎)
     社会崩壊後の日本で、若者たちが「やりたいことリスト」を携えて旅をするポジティブ寄りのサバイバル作品。

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