項羽と劉邦、あと田中(コミックス版)――楚漢戦争の英雄たちの中に、なぜか現代の会社員

作品名:項羽と劉邦、あと田中(コミックス版)
漫画:亜希乃千紗
原作:古寺谷雉
キャラクター原案:獅子猿
レーベル:PASH!コミックス
出版社:主婦と生活社
巻数:全11巻(完結)
ジャンル:歴史/楚漢戦争/タイムスリップ/人間ドラマ
原作Web:小説家になろう掲載

あらすじ

舞台は秦王朝末期から楚漢戦争へと至る激動の中国大陸。
項羽と劉邦という二人の英雄が覇権を争う歴史の只中に、まったく場違いな人物が紛れ込む。
現代日本で営業職として働いていた31歳の会社員・田中である。

田中はある日突然、秦末期の中国へタイムスリップする。右も左も分からない状況で出会ったのが、後に斉王となる田横だった。田中の名が、田横一族にいる「田中(でんちゅう)」と似ていたことから、田中は一族の者と誤認され、そのまま田横のもとで働くことになる。

武力も学識も持たない田中が頼れるのは、現代人として培ってきた交渉力や段取り力、そして状況を俯瞰する感覚だけだ。
やがて時代は、若き天才将軍・項羽と、人を束ねる力で台頭していく劉邦が表舞台に立つ楚漢戦争へと突入する。英雄たちの決断は苛烈で、戦は容赦なく人と国を切り捨てていく。

本作は、歴史を大きく改変する物語ではない。
田中は英雄たちの運命を塗り替える存在ではなく、あくまでそのすぐ隣で、田横陣営の一員として現実的な選択を積み重ねていく。その視点が、楚漢戦争という巨大な歴史を、等身大の人間ドラマとして浮かび上がらせている。

物語序盤では、田中が「田中(でんちゅう)」と誤解されたまま田横陣営に組み込まれる場面が描かれ、この行き違いが、田中が逃げられず責任を負う立場に置かれるきっかけとなる。
この出来事が、その後の人間関係や選択に大きく影響していく。

完結巻となる最終11巻では、史実に基づく楚漢戦争の帰結が描かれ、田横という人物の行く末にも決着がつけられる。
同時に、歴史の傍観者として始まった田中が、戦乱の時代に何を残し、どこに立つ存在だったのかについても、一つの結論が示される。
原作Web小説が未完であるのに対し、コミックス版は物語として明確に完結している点が大きな特徴である。


キャラクター紹介

田中
31歳の会社員。営業職として働いていたが、秦末期の中国へタイムスリップする。田横一族の「田中(でんちゅう)」と誤認され、陣営に組み込まれる。武力は持たないが、交渉力や現代的な感覚で状況を切り抜けていく。

田横
後に斉王となる人物。田中と出会い、名前の類似から一族の者と勘違いして召し抱える。楚漢戦争の時代を生き抜こうとする一方で、時代の大きな流れに翻弄されていく。

項羽
圧倒的な武を誇る天才将軍。若くして戦乱の中心に立ち、楚漢戦争を象徴する存在として描かれる。

劉邦
人を束ねる力で勢力を広げていく人物。項羽とは異なる方法で時代を動かし、歴史の主役へと近づいていく。


SNSの反応

「歴史ものだけど、田中視点のおかげでかなり読みやすい」
「英雄たちが強くて怖い分、田中の立ち回りが現実的で刺さる」
「田横側から描かれる楚漢戦争という切り口が新鮮だった」
「名前の勘違いから始まる導入がうまい」
「Web版未完なのに、漫画はちゃんと完結してくれて安心した」


星評価

企画の独自性:★★★★★
一言:楚漢戦争と現代会社員の組み合わせが強烈。

読みやすさ:★★★★☆
一言:歴史知識がなくても物語に入れる構成。


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項羽と劉邦、あと田中(原作・PASH!ブックス)既刊分


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80年代:該当なし

90年代:蒼天航路
共通点:歴史人物を現代的な視点で再構築している。

00年代:センゴク
共通点:戦乱の現場を積み重ねで描写する点。

10年代:信長のシェフ
共通点:現代人の視点が歴史世界で作用する構造。

20年代:逃げ上手の若君
共通点:史実を踏まえつつ娯楽性を高めている。

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