作品名:少女事案
著者:西条 陽
イラスト:ゆんみ
出版社:小学館
レーベル:ガガガ文庫
刊行状況:全3巻(完結)
刊行期間:2023年11月〜2025年4月
あらすじ
平凡な男子高校生・夏目幸路は、ある日から“普通ではない事情”を抱えた少女たちと関わることになる。
それは恋愛や日常の延長線上にある出来事ではなく、社会的にも倫理的にも「事案」と呼ばれかねない危うさを含んだものだった。
物語の発端は、小学五年生の少女・雪見文香との奇妙な共同生活である。文香は「未来のニュースを視る」能力を持ち、その予知によれば、彼女が幸路の家で“猫として”過ごさなければ、幸路は死に至る未来を迎えるという。幸路はその状況を前に、否応なく彼女と向き合い、日常を維持しながら“起こりうる最悪”を回避しようとする。
巻を追うごとに、幸路の周囲にはさらに事情を抱えた人物が現れ、ネット炎上をきっかけに精神的に追い詰められた少女・京野月子の問題も絡み合っていく。
そして第3巻では、未来から来た「幸路の娘」を名乗る夏目ミントが現れ、幸路の運命に直結する“事件”が、個人の危機を越えてより大きな局面へ接続されていく。
本作は、家族・恋愛・倫理の綱引きをサスペンスとして走り切り、全3巻で完結している。
キャラクター紹介
夏目 幸路(なつめ こうじ)
本作の主人公。どこにでもいる男子高校生だったが、ひょんなことから“事案”級の事情を抱える少女たちと関わることになる。常識的な倫理観を持ちながらも、目の前の現実を放置できず、選択の積み重ねで物語の中心へ引き込まれていく。
雪見 文香(ゆきみ ふみか)
小学五年生の少女。「未来のニュースを視る」能力を持ち、幸路の死を回避するために、彼の家で“猫として生活する”状況に身を置く。物語の始点となる存在であり、幸路の日常を根底から揺らす。
京野 月子(きょうの つきこ)
ネット上で炎上したことをきっかけに、精神的に敏感な状態にある少女。幸路と関わる中で、現代的な暴力性や孤立が、物語の緊張として立ち上がってくる。
夏目 ミント(なつめ みんと)
第3巻で登場する小学五年生の少女。未来から来た「幸路の娘」を名乗り、父である幸路を救うために行動する。物語を完結へ導く鍵を握る存在。
SNSの反応
「設定だけ聞くと危ういのに、読んだら意外と真面目に攻めてた」
「“事案”って言葉の重さを、そのまま物語の緊張にしてるのが強い」
「ラブコメっぽい入口から、ちゃんとサスペンスに転がる」
「主人公が正しいことだけしないのがリアルで刺さる」
「3巻で畳み切ったのが良かった」
星評価
テーマ性:★★★★★(現代的で踏み込みが深い)
物語構成:★★★★☆(短巻数で収束まで走り切る)
関連商品
・少女事案 ―炎上して敏感になる京野月子と死の未来を猫として回避する雪見文香―(1巻)
・少女事案 2 ~白スク水で愛犬を洗う風町鈴と飼い犬になってワンワン吠える夏目幸路~(2巻)
・少女事案 3 ~バクハツして時を駆ける夏目娘と、小五の娘を持つ高校生の夏目幸路~(3巻)
年代別類似作品
1980年代:なし
1990年代:ブギーポップは笑わない(危うい日常に“異常”が混ざり込む構造が近い)
2000年代:イリヤの空、UFOの夏(未成年の危うさと切実さを物語の緊張として扱う)
2010年代:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(善意と関係性のねじれを主題化する)
2020年代:なし




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