| 作品名 | 濁る瞳で何を願う 5 ハイセルク戦記 |
| 著者 | トルトネン |
| イラスト | 創-taro |
| レーベル | Kラノベブックス |
| 出版社 | 講談社 |
| 発売日 | 2025年12月2日(紙)/2025年11月28日(電子) |
| 既刊 | 小説1〜5巻 |
| コミカライズ | 既刊1〜4巻 |
| ジャンル | 戦記ファンタジー/ダークファンタジー |
あらすじ
作品全体のあらすじ
平凡な会社員だった高倉頼蔵は心筋梗塞で命を落とし、異世界でウォルムとして転生する。
舞台は、周囲を大国に囲まれ、常に戦火に晒されているハイセルク帝国。
特別な使命も加護もなく、一兵卒として戦場に立たされたウォルムは、
「生き残ること」そのものを目的に剣を振るう日々を送る。
この物語は、強くなっていく過程を描く英雄譚ではない。
仲間の死、理不尽な命令、勝利の後に残る虚しさ――
戦うたびに、ウォルムの視線は冷え、感情は摩耗していく。
戦闘の中で得たスキルの一つに《鬼火》という蒼炎を伴う力はあるが、
それは状況を切り開くための手段の一つに過ぎず、
物語の中心にあるのは、常に「どこで踏みとどまるか」「何を選ぶか」という問いだ。
5巻のみどころ
5巻では、物語の重心が戦場から迷宮都市ベルガナへと移る。
人狩り事件を経たウォルムは、ギルド職員リージィの言葉を受け、
これまで続けてきた単独行をやめ、都市で冒険者として生きる道を選ぶ。
目的は明確だ。
腐りつつある魔眼を治すため、迷宮深層に咲くとされる真紅草を探すこと。
そのためにウォルムは、冒険者メリルが率いる精鋭パーティー「三魔撃」に加わり、
集団で迷宮を攻略するという、これまでとは異なる戦い方に身を置く。
迷宮編では、
個の力で押し切る戦いとは異なり、
仲間の位置、撤退の判断、役割分担といった要素が、
常に生死を左右するものとして突きつけられる。
閉鎖された空間での判断の遅れや行き違いが、
そのまま致命的な結果に繋がる場面も少なくない。
また5巻では、過去に人狩りとして因縁を残したファウストとの再衝突も描かれる。
戦場を離れても、過去は追ってくる。
この再会は単なる敵との戦闘ではなく、
ウォルムが背負ってきた選択と、その結果を突きつける局面として描かれる。
派手な展開よりも、
一歩間違えれば全滅に至る緊張感が積み重ねられていくのが5巻の特徴だ。
迷宮編の導入でありながら、
シリーズの中でも特に重たい手応えを残す一冊となっている。
キャラクター紹介
ウォルム
本作の主人公。元は現代日本の会社員。
転生後はハイセルク帝国の兵士として戦場を生き抜き、
経験と引き換えに多くのものを失ってきた。
戦闘スキルの一つとして《鬼火》という蒼炎を伴う力を使う場面もあるが、
5巻ではそれ以上に、仲間と行動することの難しさや判断の重さが前面に出る。
戦傷の影響もあり、無理の利かない状況で、
「どう戦うか」より「どこで引くか」を考え続ける姿が印象的だ。
リージィ
迷宮都市ベルガナの冒険者ギルド職員。
ウォルムの単独行に危うさを感じ、
彼が都市でパーティーに加わる決断をするきっかけを与える。
感情論ではなく、現場を知る者としての現実的な言葉を持つ人物。
メリル
冒険者パーティー「三魔撃」のリーダー。
個々の力よりも連携と判断を重視する実力派で、
迷宮攻略において高い実績を持つ。
5巻では、ウォルムが集団戦の中で役割を見出す上で、
重要な位置を占める存在となる。
ファウスト
人狩り事件に関わった因縁の人物。
5巻ではウォルムと直接対峙する場面が描かれ、
過去の決着が終わっていなかったことを突きつける存在となる。
ウォルムの歩んできた道を映す、重要な人物の一人。
翁
統一戦争の過去に関わる人物として語られる存在。
5巻では前面に立つわけではないが、
過去の戦争が現在にも影を落としていることを示す象徴的な存在として描かれる。
SNSの反応
「迷宮編に入っても全然楽にならないのが、この作品らしい」
「三魔撃との合流、安心感より先に緊張感が来るのが良い」
「ファウスト戦、因縁の重さがちゃんと描かれていて刺さった」
「派手な必殺技より、撤退判断のシーンが一番怖い」
「戦場と迷宮で、判断の重さが全然違うのが面白い」
「読後が重い。でも続きを読みたくなる」
星評価
- 刺さり度:★★★★★
迷宮編への移行と因縁の再衝突が噛み合い、読後の余韻が強い - 緊張感:★★★★★
一手の遅れが致命傷になる展開が最後まで続く
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