| 作品名 | 日に流れて橋に行く(ひにながれて はしにいく) |
| 著者 | 日高ショーコ |
| 出版社 | 集英社 |
| レーベル | 愛蔵版コミックス |
| 連載 | 『Cookie』連載中 |
| 既刊 | 既刊12巻(2026年3月時点) |
あらすじ
本作の舞台は、近代化のうねりが加速する明治末期の日本橋。かつて賑わった老舗呉服店「三つ星」は、時代の変化に追いつけず経営が傾きかけていました。そこへ、当主の三男・星乃虎三郎が英国から帰国します。海外で見た“新しい商い”の形を胸に、虎三郎は店を立て直そうとしますが、店に根付いた古い慣習や、長年の序列・しがらみが改革の前に立ちはだかります。
虎三郎は、店の実務を動かすために「鷹頭玲司」という男を迎え入れ、売り場づくり・接客・仕入れ・宣伝など、呉服店の発想を超えた打ち手を積み重ねていきます。店の内側では、番頭や職人、店員たちの誇りと不安が交錯し、外側では、同業や社会の変化が容赦なく押し寄せる――。老舗が“百貨店的な新しい器”へ変わろうとする過程を、商いのリアルと人間ドラマで描く歴史群像劇です。
そして第12巻。三つ星にふりかかった「醜聞(スキャンダル)」の責任を一身に背負い、大番頭・牛島が店を去ります。支えを失った店の空気は一気に揺らぎ、虎三郎自身も心身の疲労が限界を超えて倒れてしまう事態に。主を欠いた星乃家、そして三つ星が沈みかけるなかで、“思わぬ来訪者”が現れ――。店を守るとは何か、誰が何を背負ってきたのかが、静かに、しかし重く突きつけられる一冊です。
キャラクター紹介
星乃虎三郎(ほしの とらさぶろう)
老舗呉服店「三つ星」の三男。英国から帰国後、店を立て直すため改革に踏み込む。店の現場にも客にも真正面から向き合うが、その分だけ無理も抱え込みやすい。
鷹頭玲司(たかがしら れいじ)
虎三郎と行動を共にし、「三つ星」で実務を取り仕切る男。感情を表に出さず、必要な手を淡々と打つ。虎三郎とは英国での縁があり、店にも何らかの背景を持つことが示される。
卯ノ原時子(うのはら ときこ)
日本橋の傘屋の娘。「三つ星」で働く女性店員として採用され、新しい職場の価値観の中で仕事を覚えていく。売り場の変化を現場側から体感し、学びながら前に出る。
星乃存寅(ほしの ありとら)
虎三郎の長兄で、「三つ星」の当主。家を背負う立場にあり、虎三郎の動きにも関わらざるを得ない。家と店の双方を見ながら、難しい舵取りを迫られる。
牛島(うしじま)
「三つ星」の大番頭。店の秩序と伝統を守ってきた人物で、三つ星の屋台骨そのもの。第12巻では“醜聞の責任”を背負い、店を去る決断をする。
SNSの反応
- 老舗が変わっていく過程が“商いの話”として面白く、人物の気持ちも丁寧で引き込まれる
- 店や街の空気、時代のうねりが伝わってきて「その場に立っているみたい」と感じた
- 登場人物が多いのに、誰も薄くならず、それぞれの事情がちゃんと重いのが良い
- 牛島のくだりが刺さりすぎて、読み終わったあとしばらく言葉が出ない
- 12巻はとにかく苦しい展開だが、次に何が起きるのかが気になって止まらない
- 虎三郎の“背負い方”が痛々しくて、無事でいてほしい気持ちになる
- 鷹頭の立ち回りが怖いほど合理的で、味方なのに底が見えないのが良い緊張感
- 歴史ものなのに説教臭くなく、仕事と生活のリアルがスッと入ってくる
星評価
- ドラマの濃さ:★★★★★
老舗と時代、個人の覚悟がぶつかる展開が太く、感情の波が大きい。 - 商い・仕事の読み応え:★★★★☆
制度や現場の動きが物語の推進力になっていて、“働く話”としても刺さる。
関連商品
- 日に流れて橋に行く 1〜12巻
- 同作者:憂鬱な朝 1〜8巻(完結)
- 同作者:花は咲くか(既刊)
年代別類似作品
- 80年代:課長 島耕作 — 組織の論理と現場の熱量の間で、仕事と人間関係が転がっていく群像劇。
- 90年代:ショムニ — 職場の理不尽や人間模様を、痛快さとリアルの両輪で描く“会社ドラマ”。
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